兄弟でマンションを相続したらどうする?分け方・売却方法・税金・トラブル対策を解説
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親が所有していたマンションを兄弟で相続したものの、
「売却したいけど兄弟全員の同意が必要?」
「一人が住み続ける場合はどうすればいい?」
「共有名義にすると後でトラブルにならない?」
このような悩みを抱える方は少なくありません。
マンションを兄弟で相続した場合は、遺産分割協議や相続登記を行ったうえで、「現物分割」「換価分割」「代償分割」「共有分割」のいずれかの方法で財産を分けることになります。
特に共有名義のまま相続すると、将来的に売却や管理で意見がまとまらず、トラブルにつながるケースもあるため注意が必要です。
この記事では、兄弟でマンションを相続した場合の分け方や売却方法、かかる税金、トラブルを防ぐポイントまで分かりやすく解説します。
📖 目次
兄弟でマンションを相続したらどうする?
親が所有していたマンションを兄弟で相続した場合、「誰が住むのか」「売却するのか」「どのように分けるのか」を相続人全員で話し合う必要があります。
特にマンションは現金のように簡単に分割できないため、相続方法を誤ると将来的なトラブルにつながることも少なくありません。
まずは相続人を確認し、相続登記や遺産分割協議を進めたうえで、それぞれに合った分割方法を選択することが大切です。
ここでは、兄弟でマンションを相続した際に最初に行うべき手続きを順番に解説します。
まずは相続人を確認する
最初に行うのは、誰が法定相続人になるのかを確認することです。
法定相続人は民法で定められており、配偶者は常に相続人となります。そのうえで、子ども・親・兄弟姉妹の順番で相続権が発生します。
例えば、父親が亡くなり、母親と子ども2人(兄・弟)がいる場合は、母親と兄弟2人が相続人になります。
一方で、親がすでに亡くなっており兄弟だけが相続人となるケースや、代襲相続によって甥・姪が相続人となるケースもあるため注意が必要です。
相続人を正確に把握するには、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本を取得して確認するのが一般的です。
相続登記を行う
相続人を確認したら、次はマンションの名義を変更する「相続登記」を行います。
2024年4月から相続登記は義務化されており、不動産を相続したことを知った日から3年以内に登記を行わなければなりません。
正当な理由なく期限を過ぎると過料の対象となる可能性もあるため、早めに手続きを進めることが大切です。
相続登記には主に以下の書類が必要になります。
- 被相続人の戸籍謄本
- 相続人全員の戸籍謄本
- 住民票
- 固定資産評価証明書
- 遺産分割協議書(必要な場合)
自分で申請することもできますが、手続きに不安がある場合は司法書士へ依頼するケースが一般的です。
遺産分割協議を行う
マンションを兄弟で相続する場合は、相続人全員で遺産分割協議を行い、「誰が取得するのか」「売却するのか」を決定します。
遺言書があり取得方法が指定されている場合を除き、相続人全員の合意がなければマンションを売却することはできません。
そのため、一人でも反対する人がいると売却手続きが進まなくなるケースがあります。
遺産分割協議では、主に以下のような内容を話し合います。
- マンションを売却するか保有するか
- 誰が住み続けるか
- 売却代金をどのように分けるか
- 共有名義にするか単独名義にするか
口約束だけで済ませるのではなく、後々のトラブルを防ぐためにも、合意した内容は遺産分割協議書として書面に残しておくことをおすすめします。
兄弟で相続したマンションの4つの分け方

マンションは現金とは異なり、そのままでは公平に分けることが難しい財産です。
そのため、兄弟でマンションを相続する場合は、状況に応じて4つの分割方法から選択します。
それぞれにメリット・デメリットがあり、家族構成やマンションの利用予定によって最適な方法は異なります。
まずは、それぞれの違いを一覧で確認してみましょう。
| 分割方法 | 特徴 | おすすめのケース |
|---|---|---|
| 現物分割 | 特定の相続人がマンションを取得する | 他の財産もあり公平に分けられる場合 |
| 換価分割 | 売却して現金を分ける | 公平に分配したい場合 |
| 代償分割 | 取得者が他の相続人へ代償金を支払う | 一人が住み続ける場合 |
| 共有分割 | 共有名義で所有する | 一時的に結論を出せない場合 |
それぞれの分割方法について詳しく見ていきましょう。
現物分割
現物分割とは、マンションそのものを特定の相続人が取得する方法です。
例えば、長男がマンションを相続し、次男は預貯金を相続するなど、他の財産と組み合わせて公平になるよう調整します。
他に分けられる財産が十分ある場合はシンプルで手続きもしやすい方法ですが、マンション以外の財産が少ない場合は不公平になりやすい点がデメリットです。
換価分割
換価分割とは、マンションを売却し、売却代金を兄弟で分ける方法です。
現金で分配できるため公平性が高く、兄弟間でトラブルになりにくいことから、多くのケースで選ばれています。
誰も住む予定がないマンションや、遠方にあり管理が難しいマンションでは、換価分割が有力な選択肢となるでしょう。
代償分割
代償分割とは、兄弟の一人がマンションを取得し、その代わりに他の相続人へ現金(代償金)を支払う方法です。
例えば、兄がマンションに住み続けたい場合、弟へ相続分に応じた代償金を支払うことで公平性を保てます。
住み慣れた家を手放さずに済む一方で、代償金を支払えるだけの資金が必要になる点には注意が必要です。
共有分割
共有分割とは、兄弟全員が共有名義でマンションを所有する方法です。
一見すると公平に見えますが、売却や大規模リフォームを行う際には共有者全員の同意が必要となります。
また、将来的に相続が発生すると権利関係がさらに複雑になり、売却が難しくなるケースも少なくありません。
そのため、共有名義は「とりあえず共有にしておく」という考えで選ぶのではなく、将来の出口まで見据えて慎重に判断することが大切です。
兄弟でマンションを売却する流れ

兄弟で相続したマンションを売却する場合は、一般的な不動産売却とは異なり、相続手続きを終えてから売却活動を始める必要があります。
特に、相続登記や遺産分割協議が完了していないと売却できないケースもあるため、手順を理解しておくことが大切です。
ここでは、兄弟で相続したマンションを売却する基本的な流れを紹介します。
相続登記を済ませる
まずはマンションの相続登記を済ませ、名義を被相続人から相続人へ変更します。
遺産分割協議によって取得者が決まっている場合は、その内容に基づいて名義変更を行います。
相続登記が完了していないと売却手続きが進められないため、最初に済ませておきましょう。
不動産会社へ査定を依頼する
相続登記が完了したら、不動産会社へ査定を依頼します。
マンションの売却価格は会社によって査定額が異なることも多いため、1社だけではなく複数社へ依頼することが重要です。
査定結果を比較することで、適正価格や販売戦略も見えてきます。
売却活動を行う
査定額や販売方法に納得できたら、不動産会社と媒介契約を結び売却活動を開始します。
購入希望者から申し込みが入り、売買契約が成立すると、決済・引き渡しへ進みます。
売却活動中も兄弟間で情報を共有し、条件変更や価格交渉について事前に相談しておくことでトラブルを防ぎやすくなります。
売却代金を分ける
マンションの引き渡しが完了すると売却代金が支払われます。
換価分割の場合は、遺産分割協議で決めた割合に従って兄弟で分配します。
仲介手数料や登記費用、譲渡所得税などの費用が発生する場合もあるため、最終的な手取り額を確認してから分配すると安心です。
一人が住み続ける場合はどうする?
兄弟のうち一人が相続したマンションに住み続けたい場合は、他の相続人との公平性を保つための対応が必要です。
十分な話し合いを行わずに名義だけ変更してしまうと、後から相続トラブルへ発展する可能性があります。
ここでは、一人が住み続ける場合に押さえておきたいポイントを紹介します。
代償金を支払う
最も多く利用される方法が「代償分割」です。
マンションを取得する人が、他の兄弟へ相続割合に応じた代償金を支払うことで公平性を保ちます。
住み慣れたマンションを手放さずに済む一方、まとまった資金を準備しなければならない点には注意が必要です。
名義変更する
住み続ける人が決まったら、その内容に合わせて名義変更を行います。
共有名義のまま住み続けることもできますが、将来的な売却や相続を考えると単独名義にしておいた方がトラブルを防ぎやすくなります。
将来のトラブルを防ぐ
代償金の金額や支払時期、固定資産税の負担、修繕費の扱いなどは事前に書面で取り決めておくことが大切です。
兄弟だからと口約束だけで済ませてしまうと、将来的に認識の違いからトラブルになることもあります。
必要に応じて司法書士や弁護士など専門家へ相談することも検討しましょう。
兄弟でマンションを相続するときの注意点
兄弟間の相続トラブルは、相続直後ではなく数年後に発生するケースも少なくありません。
以下のポイントを意識することで、将来的なトラブルを未然に防ぎやすくなります。
共有名義は慎重に判断する

共有名義は公平な方法に見えますが、売却や大規模リフォームには共有者全員の同意が必要になります。
さらに、共有者の一人が亡くなると、その持分はさらに相続されるため、権利関係が複雑になる可能性があります。
将来的な売却を考えている場合は、できるだけ共有名義を避けることも検討しましょう。
売却には全員の同意が必要
共有名義のマンションは、一人だけの判断で売却することはできません。
兄弟のうち一人でも売却に反対すると、基本的には売却手続きを進められなくなります。
そのため、売却を検討する場合は早い段階で兄弟全員の意思を確認しておくことが重要です。
空き家のまま放置しない
誰も住まないマンションを放置すると、管理費や修繕積立金、固定資産税などの維持費がかかり続けます。
また、築年数の経過によって資産価値が下がり、売却しにくくなることもあります。
数次相続になる前に対策する
共有名義のまま長期間放置すると、兄弟の一人が亡くなり、その相続人へ持分が引き継がれる「数次相続」が発生することがあります。
相続人が子どもや孫世代まで増えてしまうと、売却や遺産分割協議がさらに複雑になり、話し合い自体が難しくなるケースもあります。
将来的なトラブルを防ぐためにも、相続後はできるだけ早い段階で売却や名義整理について方針を決めておくことが大切です。
マンション相続でかかる税金・費用
兄弟でマンションを相続する場合は、不動産を取得する際だけでなく、売却時にもさまざまな税金や費用が発生する可能性があります。
実際には、相続税がかからないケースも多い一方で、相続登記や売却時には一定の費用が必要になります。
事前にどのような費用が発生するのかを理解しておけば、売却後の資金計画も立てやすくなるでしょう。
相続税
相続税は、すべての相続で発生するわけではありません。
相続税には基礎控除があり、相続財産の合計額が基礎控除額以下であれば相続税はかかりません。
基礎控除額は次の計算式で求められます。
3,000万円+600万円×法定相続人の数
例えば、法定相続人が3人の場合は、基礎控除額は4,800万円です。
マンションだけでなく、預貯金や有価証券なども含めた相続財産の総額で判断されるため、全体の財産を把握したうえで確認しましょう。
登録免許税
相続登記を行う際には、登録免許税がかかります。
税額は固定資産税評価額の0.4%です。
例えば、固定資産税評価額が2,000万円のマンションであれば、登録免許税は約8万円となります。
このほか、司法書士へ相続登記を依頼する場合は、別途報酬が必要になるケースもあります。
売却時の譲渡所得税
相続したマンションを売却して利益(譲渡所得)が出た場合は、譲渡所得税や住民税が発生することがあります。
譲渡所得は、売却価格から取得費や譲渡費用を差し引いて計算します。
また、一定の要件を満たせば「取得費加算の特例」など、税負担を軽減できる制度が利用できる場合もあります。
売却価格によって税額が大きく変わることもあるため、事前に不動産会社や税理士へ相談しておくと安心です。
その他の費用
マンションの相続・売却では、税金以外にもさまざまな費用が発生します。
- 仲介手数料
- 司法書士への報酬
- 印紙税
- 抵当権抹消費用(住宅ローンが残っている場合)
- 測量費・書類取得費用など
特に仲介手数料は売却価格に応じて変わるため、資金計画を立てる際には忘れずに考慮しておきましょう。
兄弟で相続したマンションを高く売るポイント
相続したマンションは、売却方法によって数百万円以上の差が出ることもあります。
兄弟で公平に売却代金を分けるためにも、できるだけ高く売れる方法を選ぶことが大切です。
ここでは、相続したマンションを高く売るために押さえておきたいポイントを紹介します。
早めに売却を検討する
誰も住む予定がないマンションは、できるだけ早めに売却を検討しましょう。
空き家のまま所有していると、管理費や修繕積立金、固定資産税などの維持費がかかり続けます。
また、築年数の経過によって資産価値が下がる可能性もあるため、売却を決めている場合は早めに行動することが高値売却につながります。
複数社へ査定する
不動産会社によって査定額や販売戦略は大きく異なります。
そのため、1社だけの査定で売却を決めるのではなく、複数社を比較することが重要です。
査定額だけでなく、販売実績や担当者の提案内容も比較することで、自分たちに合った不動産会社を選びやすくなります。
マンション相続に関するよくある質問
最後に、兄弟でマンションを相続する際によくある質問をまとめました。
売却は兄弟全員の同意が必要?
はい、共有名義のマンションを売却する場合は、共有者全員の同意が必要です。
一人でも反対すると原則として売却はできません。
そのため、相続後はできるだけ早い段階で売却するか保有するかについて兄弟全員で話し合っておくことが大切です。
一人だけ反対したら?
兄弟の一人だけが売却に反対している場合は、まず話し合いによる解決を目指しましょう。
どうしても合意できない場合は、家庭裁判所で遺産分割調停を申し立てる方法もあります。
また、状況によっては代償分割や持分の買い取りなど、売却以外の方法で解決できるケースもあります。
相続放棄したらどうなる?
相続放棄をすると、その人は最初から相続人ではなかったものとして扱われます。
そのため、マンションの所有権を取得することも、売却代金を受け取ることもできません。
相続放棄は原則として、相続開始を知った日から3か月以内に家庭裁判所で手続きを行う必要があります。
相続税はいつ払う?
相続税の申告・納付期限は、相続開始を知った日の翌日から10か月以内です。
ただし、相続税は基礎控除以内であれば課税されないため、すべての人が納税するわけではありません。
納税が必要か判断できない場合は、早めに税理士へ相談することをおすすめします。
相続したマンションはすぐ売れる?
相続した直後でも売却は可能ですが、原則として相続登記を完了してから売却手続きを進めます。
また、遺産分割協議が必要なケースでは、兄弟全員の合意を得てから売却活動を開始する流れになります。
売却までに必要な期間はケースによって異なりますが、査定から引き渡しまで3〜6か月程度が一つの目安です。
まとめ
兄弟でマンションを相続した場合は、相続人の確認や相続登記、遺産分割協議を行ったうえで、現物分割・換価分割・代償分割・共有分割の中から適した方法を選ぶことが重要です。
特に共有名義は、将来的な売却や相続でトラブルにつながる可能性があるため、慎重に判断する必要があります。
また、誰も住む予定がないマンションは、維持費や資産価値の低下を考えると、早めに売却を検討した方が有利になるケースも少なくありません。
売却を検討している場合は、不動産会社によって査定額や販売方法が異なるため、複数社を比較して信頼できる会社を選ぶことが大切です。





